今回は東京荒川区にある「千代の湯」さんにインタビューをさせていただきました!
今回お話を聞くのは千代の湯を運営している長谷川さん。脱サラ後、銭湯を運営している長谷川さんに、その背景や「家業」というテーマについてお聞きします。

目次
自己紹介
——— まず自己紹介をお願いします。
荒川区東京都荒川区の千代の湯を運営している長谷川です。
千代の湯はよくある街中にある昔ながらのビル型の銭湯です。
トゴールの湯という温泉成分が入った石を沈めた人工温泉というのが特徴です。
前職は医薬品の開発、治験に関わる仕事をしていました。

——— 千代の湯さんの歴史を教えてください
はっきりとはわかんないんです実は。笑
ただ一応僕は歴代で言うところの3-4代目だそうで。
ここの家業を継いだっていうよりは、一番最初にやってた方がいて、その方が亡くなったりした後、ここが空きになったときに他で銭湯やってた方がここを運営していたそうです。
それからまたその方が辞められちゃったりとかしたときに、前任の方が手が空いたので引き取ったと聞いてます。その方も4件ほど経営されていてしんどくなって手放したりとかしつつ、最終的に行き着いたのがここだったみたいです。
その方は千代の湯を結局20-30年とかやっていたとか。
なので千代の湯は初めからすごく「家業、家業」っていう感じではないかもしれないです。
銭湯運営に至った背景
——— 銭湯を運営することになったきっかけはなんですか。
もともと銭湯が好きで「千代の湯」の近くにある「梅の湯」という銭湯のオーナーである栗田さんと出会い、それから千代の湯を手伝いに行ったのが最初のきっかけでした。
当時、店主である千代の湯のご主人が倒れられて、女将さん1人で切り盛りをするのが難しくなっている状況で、銭湯をたたもうとしていました。
それはもったいないと感じて店長として自分が切り盛りすることを申し出ました。

——— その中で不安はありましたか?
ありました。右も左もわからない状況だったので。
どうしたらいいんだろうとか、本当にやっていけるのかなとかお客さんが来なっちゃうんじゃないかといろいろありました。
——— それでもやろうと思った理由はありますか?
一番やっぱり銭湯が好きっていうこと、あとなくなっちゃうのは勿体ないと思ったことが大きいです。
「大好きだからなくしたくない」が一番強かったです。

——— 働きがい、やっていて楽しいことは何ですか?
お客さんとの距離が近いのはやっぱり楽しいですね。
何かやってやったら気づいたお客さんから必ずレスポンスが返ってくるのは良いですね!
ちょっとどっか綺麗にしたら「あそこ綺麗になったよね」とか。
新しい飲み物置いたら「あの飲み物なんなの?」とか。笑
新しい入浴剤を入れたら「今日のやつは良かった」「前の方が好きだった」とか。
お客さんから直でリアクションが入ってきます。
そうしてコミュニケーションを取りながら、お客様に喜んでいただいて、気持ち良くさっぱりして帰ってもらえることが何よりものやりがいです。


千代の湯の売店コーナー
——— これから千代の湯さんでやっていきたいことはありますか?
この銭湯をもっと便利な所にしていきたいと思います。
お風呂なんで、生活の一部として入りに来ていただけたらなと。
どうせだったらお風呂だけじゃなくて、何かちょっとしたものが買えるとか。
コンビニまではいかないけど、お客様へ、より使いやすい、より生活に密着できる場所になれるようにと思ってます!

「家業を継ぐ」それはすごくセンシティブな議題
——— 家業を継ぐ継がない問題は数多く存在しますが、長谷川さんの立場からそれに対しての想い、考えはありますか?
個人的には別に無理して家業って継ぐものでもないと思います。
銭湯で言うとやっぱり昨今は燃料費の増加とか築年数が古くなっちゃってきてるから、
改装して続けるよりも、廃業した方がいいとかいろいろとあると思います。
継ぐ人たちの決心がすごいみたいに銭湯でもよく言われるんですけど、
僕はそれよりも辞める決心の方がすごいと思っていて、「自分たちで打ち切る。息子、娘にはもう引き継がず自分たちで完全に終わらせます」っていう意思決定をちゃんとできるのはすごいとは思ってます。かなりセンシティブな問題だとは思うんですが、きちんと話し合った上で辞めるという風に決めたのであれば、それは尊重するのがいいのではないかなと思います。
一方で、やっぱりまだ続けたい、残したいって思いがあるのであれば続けていく方法を模索するのが良いと思います。千代の湯みたいな方法で残すという選択肢もありますし、きっと何か残せる方法があると思いますので。
僕は家業を継ぐという当事者ではないので、その人たちの本当の問題とか気持ちがはっきりわかるわけではないので、これくらいしか言えないです。当人達にしか分からない問題もたくさんあると思いますので本当に難しいと思います。
長谷川さんの銭湯、お客さんへの愛を感じましたね。
好きなことをやってるなかで、長谷川さんのようにひょんなことから家業を継ぐということもあるかもしれません。
家業の承継にも色々な形があると感じられるお話でした。
今回インタビューさせていただいた千代の湯さんはこちら。
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